インプラント
治療
Implant
インプラントの歴史
History
インプラントの歴史をたどると、意外にも紀元3世紀ごろと大昔にまでさかのぼります。この時代、ヨーロッパでは上顎に鉄でできたインプラントが、中南米では貝殻のインプラントが人骨から発見されています。日本では弥生時代から古墳時代にあたるころの話です。
現在使われるようなインプラントは、スウェーデンのブローネマルク教授により1952年ごろから研究が始まりました。骨とチタンの結合について基礎研究を進め、1965年にスクリュー型のチタン製インプラントの臨床応用がスタート。チタンは生体親和性が高いこともわかりました。1980年ごろには世界的に評価が高まり、現在は人工歯にする際の選択肢として広く取り入れられています。
インプラント、入れ歯、ブリッジの違い
インプラント | 入れ歯 | ブリッジ | |
治療できる症例 | 全身疾患によっては | ほぼすべての | 両隣に歯が残っていない場合は |
価格 | 自費診療のため高額になる傾向がある | 保険診療であれば低価格になる | 保険診療であれば低価格になる |
噛む力の 強さ | 天然歯のようにしっかり噛める | 安定感が低いため強く噛みにくい | 自然に噛めるが |
使用年数 | メンテナンスを継続すれば | 保険診療の場合、3~5年ほど | 保険診療の場合、7~8年ほど |
残っている 歯への影響 | 人工歯根で固定するので | 部分入れ歯はクラスプ(留め金)を | 土台となる歯を削らなくてはならない |
顎骨への 刺激 | 刺激が伝わり顎骨が痩せにくい | 合わない入れ歯は顎骨が痩せやすい | 顎骨がやや痩せやすい |
治療期間 | 3ヵ月~1年ほど | 2週間~1ヵ月ほど | 2~3週間ほど |
審美性 | 自然な見た目になる | 保険診療の部分入れ歯は | 保険診療で金属のブリッジを |
当院のインプラント治療の特長
「難症例にも適用できる」
多数歯欠損の治療と
骨造成を併用した治療インプラント治療は自費診療となるため、多くの歯を失っている方への治療は価格が高くなります。しじまデンタルクリニックでは、数本のインプラントで全体の噛み合わせを整えられる治療を実施しています。また、必要な骨の量を確保する骨造成を併用し、あらゆる症例に対して柔軟に対応します。現在お使いの入れ歯が合わずに悩んでいる方も、ぜひご相談ください。
「すぐに食事ができる」
即時荷重インプラントに対応
一般的なインプラント治療では、インプラントを埋入したあとは骨と結合させるために長い期間お待ちいただきます。その間は歯がない生活になります。当院で取り扱っている即時荷重インプラントは、インプラントを埋入するのと同時に仮歯を装着する治療です。見た目が改善され、手術当日から噛むことができます。
「世界中で幅広く使用されている」
ストローマン社製
インプラントの使用インプラントは世界中でさまざまなメーカーが開発していますが、当院ではそのなかからスイスにあるストローマン社のものを採用しています。
ストローマン社は世界的に高いシェアを誇っており、徹底した品質管理のもとでインプラントを製造しています。多くの医療機関で取り扱っており、もし引っ越した場合でもストローマン社と契約している歯科医院でメンテナンスを受けられます。「手術が怖い方も安心」
静脈内鎮静法の実施
歯の治療に対して不安感が強い方は少なくありません。当院では、患者さまが不安にならず治療を受けられる静脈内鎮静法に対応しています。鎮静剤を静脈に注入し、ウトウトと半分眠ったような状態にします。応答できるよう少しだけ意識を残しており、安心して治療を受けられます。健忘効果もあり、治療中のことをほとんど記憶せずに終えられます。
インプラント治療の流れ
Step
カウンセリング・検査
カウンセリング
まずはカウンセリングを行ない、患者さまのお悩みやご希望をお聞きします。どのような治療法が考えられるのか、現時点で考えられる範囲でお話しします。ご希望される場合は検査を実施します。
お口の中の診査
拡大鏡などを使ってお口の中を診査します。
レントゲン、CT撮影
レントゲンやCTで撮影します。CTは顎骨の状態などを立体的な画像で再現でき、血管や神経といった大事な組織の位置も正しく把握できます。
噛み合わせの診査
重要な情報である噛み合わせの検査をし、患者さまの歯の形を作製します。これをもとに「診断用ワックスアップ」とよばれる、治療のシミュレーションをします。
Step
診断・プランニング
検査結果を総合的に分析します。患者さまにお口の中の写真やCT画像などをご確認いただきながら診断結果をお伝えし、治療方針をご提案します。治療にかかる期間、価格、それに治療のメリットとデメリットの両方について説明します。治療についてイメージしにくいことなどがございましたら、お気軽にご質問ください。
患者さまに同意いただけましたら、治療を始めます。Step
インプラント手術
固定源となるインプラント体を顎骨に埋入する手術です。あらかじめ決定している埋入の位置や角度などを再現し、ドリルで穴をあけながら埋め込みます。埋入後は切開した歯肉で覆うようにして縫合します。患者さまの顎骨の状態を分析し、適切な長さや太さのインプラントを選びます。手術が不安な方には、静脈内鎮静法の適用を検討します。
Step
インプラント手術後の治癒
インプラント体を埋入したあとは、チタンと顎骨が結合するのをお待ちいただきます。結合するまで数ヵ月ほどお待ちいただきます。
Step
上部構造の作製
再び歯肉を切開し、結合したインプラント体に接続部を取りつけます。それから、いわゆる「歯」にあたる上部構造を作製し、最終的な調整をして治療は完了になります。
インプラント治療について
さらに詳しく知りたい方へ
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リスク・副作用
インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
- 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
- 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
- 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
- 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
- インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
- 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
骨造成にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 外科手術が必要となります。
- 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- 治療後、骨がしっかりと作られるまで3~6ヵ月の治癒期間が必要です。
- 歯周病の方、心疾患や骨粗鬆症など内科的な疾患のある方は、骨造成治療が適さないことがあります。
- 口腔内の衛生状態の悪い方、顎骨が足りない方、免疫力や抵抗力が低下している方、歯周病発生リスクの高いとされる糖尿病の方、喫煙する方は、すぐに治療できないことがあります。
- 日常的に服薬しているお薬などが治療に影響することがあります。
- サイナスリフト・ソケットリフトの処置にあたり、上顎洞膜が破れる可能性があります。その場合、手術後に抗生剤を服用して感染を予防し、膜が自然に治癒するまで待ちます。
- 体の状態や細菌感染により、骨補填材と骨とが結合しない場合があります。この場合、原因を取り除き、ご希望があれば再治療を行ないます。
- 骨の成長途中であるお子さま(おおよそ18歳未満の方)、妊娠中の方は治療が受けられません。
入れ歯の作製・使用にともなう一般的なリスク・副作用
- 内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 入れ歯を固定するため、患者さまの同意を得てから残存歯を削ったり抜歯したりすることがあります。
- 使用直後は、口腔内になじむまで時間がかかることがあります。
- 事前に根管治療(神経の処置)や土台(コア)の処置が必要となることがあります。
- 入れ歯を装着していない時間が長いと、残存歯の傾きや損失、歯槽骨(歯を支える骨)の吸収などが起こることがあります。
- 咬合が変化したり、固定源である残存歯が削れたり抜けたりした場合は、入れ歯の調整・修理が必要になることがあります。
- 金属を使用する入れ歯では、金属アレルギーを発症することがあります。
- 使用方法などにより、破損することがあります。
- 定期的な検診・メンテナンスが必要です。
ブリッジの作製にともなう一般的なリスク・副作用
- 内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 失った歯の両隣の健康な歯を削る必要があります。
- 支えになる歯に負担がかかり、将来的にその歯を失う可能性が高くなります。
- 奥の場合は金属でしか対応できません。
- 連続して歯を失っている場合、治療できないことがあります。
- ブリッジと歯肉との間に食べ物のかすが詰まりやすいので、口の中の衛生状態を保つことが難しくなります。
- 顎骨の吸収を抑制できません。
麻酔薬の使用にともなう一般的なリスク・副作用
- 歯肉に塗布する表面麻酔や、一般的な歯科治療で歯肉に注入する浸潤麻酔は保険診療となります。インプラントによる治療などの自費診療(保険適用外)で笑気吸入鎮静法、静脈内鎮静法を行なう場合は自費診療となり、保険診療よりも高額になります。保険診療となった場合も、高額になることがあります。これらの麻酔法を保険診療で行なうには治療内容など条件がありますので、詳細は歯科医師にご確認ください。
- 表面麻酔薬の使用により、じんましんやむくみなどを発症することがあります。
- 浸潤麻酔の使用により、アドレナリンの影響で血圧上昇や動悸などを発症することがあります。高血圧症や心臓疾患のある方は注意が必要なので、事前にお申し出ください。
- 笑気吸入鎮静法の実施により、ごくまれに効果が切れたあとの吐き気や嘔吐、末梢神経障害が現れることがあります。
- 静脈内鎮静法の実施により、薬剤による影響や全身疾患との関連から重篤な副作用を引き起こすことがあります。持病のある方は注意が必要なので、事前にお申し出ください。
- そのほか、麻酔薬の影響ではなく緊張状態や麻酔注射時の疼痛により起こる脳貧血により、悪心、吐き気、手足の震え・痺れが起こることがあります。
- 麻酔効果が切れるまで口の中の粘膜や唇の感覚が麻痺しているため、唇を噛んだりやけどなどをしないよう、食事は避けてください。
- アルコールにより血流が良くなり、出血・腫れ・痛みが増してしまうことがあるため、飲酒は避けてください。
CTを用いた検査にともなう一般的なリスク・副作用
- コンピューターを駆使してデータ処理と画像の再構成を行ない、断層写真を得る機器となります。
- 治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
- 人体に影響しない程度(デジタルレントゲン撮影装置の1/10以下)の、ごくわずかな被ばくがあります。
- ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。